江戸時代のからくり技術交流

International Exchange of Karakuri Mechanism in Edo-era
 

鎖国していた江戸時代においても、
からくり技術の東西交流は、着実に行われていた。
メカニズムが酷似していて、技術交流の証拠だと
私が推測する具体例を以下に紹介する。



1カムとレバーによる操り技術
 

             
左:「弓射り童子」田中久重作(1850)6組のカムとレバーで10本の糸を操る
中:1組のカムとレバーで3本の糸(ワイヤ)を操る仕組み
右:「絵を描く詩人」ビッシ-作(18758組のカムとレバーで11本のワイヤを操る



2水銀による重心移動メカニズム

                   
左:段返り人形、1796年に出版された「機巧図彙」に製法の解説が載っている
中:水銀がオリフィスを通過して重心が移動し回転運動する仕組み
右:日本からヨーロッパへ伝わったといわれるフランス製の段返り人形

3フイゴと笛による鳴声

      
左:「ほととぎす」田中久重作(1856)純和風に仕上げているのが見事
中:鳴声の高低と長短を空気流でつくり出す仕組み
右:スイスのサンクロアで1796年に誕生した「シンギングバード」



4手品のメカニズム

         
左:「品玉人形」大津屋金蔵作 箱を上げると7種類に箱の中の物が変わる
右:「かわいい手品師」ルヌ-作(1900)4種類に箱の中身が変わる
 



江戸からくり師のすばらしさ
西欧の技術を自分のものとし、決してコピーではなく、
改良し、日本の文化・風土に同化した作品をつくり出してきた。

よい技術は、政治(鎖国)の壁や地理的距離の壁を
乗り越えて、思いのほか素早く伝播するものである